Association of Accounting Techniciansの調査によると、42%の企業が会計上のミス(無資格の会計士や税務アドバイザーへの依頼など)によって損失を被ったと報告しています。 さらに、25%が税金を過払いし、17%が税務申告の期限に間に合わなかったとの確認がされています。
このような課題を抱える企業にとって最も明確な解決策は、役割に適した優秀な人材を採用することでしょう。しかし、シニア会計士およびCFOの年間給与はそれぞれ最大で122,665ドルおよび283,272ドルに達するため、多くの企業にとって持続可能な選択とは言えません。
では、より現実的な解決策は何でしょうか?
記帳、税務申告、財務計画に対応するために、これらのスキルを社内で採用することなく、会計アウトソーシングサービスを活用することが挙げられます。
本ガイドでは、会計アウトソーシングについて知っておくべき事項を解説していきます。具体的には、アウトソーシング費用に影響を与える要因、料金モデルがアウトソーシング予算に与える影響、アウトソーシング予算の算出方法、そして会計アウトソーシングからのROIの測定方法について取り上げていきます。
簡単まとめ – 会計アウトソーシングのコスト
本記事の内容の概要を下記にまとめています:
会計アウトソーシングは、通常、社内で会計担当者を維持する場合と比べて一部のコストで済みます。ケースによっては、20%〜60%のコスト削減を実現できる可能性があります。
会計サービス会社は企業に対してさまざまな料金モデルを用いて請求を行います。最も一般的な料金モデルには、時間単価制、月額固定制、取引ベース課金、フルタイム相当(FTE)モデル、プロジェクト単位課金、成果報酬型課金が挙げられます。
会計サービス会社を利用する場合の平均的な月額費用は、基本的な記帳および税務申告で500ドルから、パートタイムCFOサービスでは最大15,000ドルに達することがあります。
会計アウトソーシングサービスの詳細な解説については、ぜひこのまま読み進めてください。会計会社と提携する際にどのような対応が受けられるかをご確認いただけます。
会計アウトソーシングのコストに影響を与える主な要因
アウトソーシングされた会計サービスのコストは、主に企業のニーズによって決まります。以下が例となります:
- サービス範囲(Scope of Services):多くの会計サービスは、会計および記帳、銀行照合、給与処理、税務申告および提出、財務報告など、特定の業務を対応するオプションを提供しています。基本的な会計サービスは一般的に比較的低コストですが、企業の会計業務の大部分、またはすべてを会計事務所が対応するビジネスプロセスアウトソーシングへ移行するにつれて、コストは増加します。
- 取引量(Volume of Transactions):会計サービスプロバイダーは、企業の取引量に基づいて料金を設定することが一般的です。例えば、月に100件の取引を処理する場合は、同じ期間に10,000件以上の取引を処理する場合よりも低コストになります。ただし、大量取引による割引が適用されることもあるため、コスト差が比例しない場合があります。
- 業務の複雑性(Task Complexity):会計事務所は、専門的な知識が必要な業務に対してより高い料金を設定することが一般的です。例えば、複数法人構造、国際業務、業界規制、製造業に関する税務サービスなどを含む業務は、アウトソーシングコストが高くなる傾向があります。
- 必要な専門性(Level of Expertise Needed):一部の業務ではCPAや公認会計士、またはCFOレベルの関与が必要となる一方で、エントリーレベルのブックキーパーが対応できる業務もあります。そのため、業務を完了するために必要な担当者の職位や資格に応じて料金が設定され、上位レベルのコンサルタントほど高い料金が適用されます。
- 契約条件(Contract Terms):会計サービス会社では、短期契約や単発依頼と比較して、長期契約に対してはより低い月額料金を設定することが一般的です。
- 料金モデル(Pricing Models):会計事務所は複数の料金モデルを使用しています。これには、あらかじめ定義されたサービスに対して固定料金を支払うサブスクリプションまたは固定価格モデルや、業務に費やされた時間に基づいて支払う時間単価モデルが含まれます。また、取引件数に応じてコストが増加するスライド制の取引ベースモデルもあります。
料金モデルはアウトソーシング予算にどのように影響するか
利用可能な料金モデルを理解することは重要です。これにより、自社にとって最もコスト効率の高いアプローチを選択することができます。
以下では、料金モデルの一部の例と、これらがアウトソーシング予算にどのように影響するかを説明していきます:
- 時間単価モデル(Hourly Pricing Model):会計業務に費やした時間に対して、時間単価で料金が請求されます。このモデルは柔軟性があり、短期またはスポットのプロジェクトに適しています。また、要件が変化するプロジェクトにも適用できます。ただし、月額コストが膨らむのを防ぐために、厳格な管理が必要です。
- 月額固定モデル(Fixed Monthly Pricing Model):このモデルでは、定義されたサービスに対して毎月一定の料金を支払います。要件が明確で変動しないプロジェクトに適しています。また、コストの予測が可能になるため、予算管理が大幅に容易になり、コスト超過のリスクを軽減できます。ただし、使用しないリソースに対しても支払うリスクや柔軟性を失う可能性があり、プロジェクトの範囲が変化した場合には不利になることがあります。
- 取引ベースモデル(Transaction-Based Pricing):このモデルでは、アウトソーシングコストが事業の取引量に直接連動します。つまり、事業の成長に伴い取引量が増加すると、アウトソーシングコストも増加します。取引量が月ごとに変動するような、高ボリュームかつ変動性のある業務に適しています。ただし、取引量の変動により予算管理が難しくなる可能性があります。
- フルタイム相当(FTE)モデル(Full-Time Equivalent Model):このモデルでは、専任の会計担当者または専任チームを確保し、自社のプロジェクトのみに従事させることができます。給与に近い形で毎月一定額を支払います。このモデルは、固定コストで継続的かつ安定したサポートを受けられるため、成長中の企業に適しており、予算管理も容易になります。ただし、柔軟性に欠けるため、業務量の変動に関わらず同じ料金を支払う必要があります。
- プロジェクト単位モデル(Project-Based Pricing):監査、システム移行、税務申告などの単発プロジェクトに適したモデルです。通常は事前に合意された一括料金を支払います。期待される業務範囲が明確であり、予算管理を複雑にしない固定コストである点が特徴です。
- 成果報酬型モデル(Performance-Based Pricing):このモデルでは、会計事務所が達成した成果に応じて料金が決まります。例えば、達成した税金削減額の一定割合などです。CFOアドバイザリーや税務戦略など、インパクトの大きいサービスに適しています。ただし、ROIが実現した後に支払いが発生するため、予算管理が複雑になる可能性があります。
会計アウトソーシングサービスの平均コストはどのくらい?
会計アウトソーシングのコストは、取引量、業務の複雑性、料金モデル、企業規模など、いくつかの要因によって異なります。
以下は、業務内容ごとの平均的な価格帯です:
| サービスの種類 | 平均月額費用 |
| 基本的な記帳サービス | $500 – $1500 |
| 給与サービス | $500 – $800 |
| 税務申告 | $500 – $2,000 |
| 包括的な会計サービス | $2,000 – $5,000以上 |
| パートタイム(フラクショナル)CFOサービス | $3,000 – $15,000 |
なお、時間単価はCPAの専門性や所在地によっても異なり、$50~$500以上の範囲となる場合があります。
自社に適したアウトソーシング予算の算出方法
自社に適したアウトソーシング予算を算出するには、会計ニーズや現在の社内コストを含む複数の要因を戦略的に評価する必要があります。
次のようなステップの理解をすることでアウトソーシング会計費用の見積もり算出に役立ちます:
Step 1:社内コストの算出
社内の会計部門を維持するための現在のコストを算出します。これには、給与、福利厚生、給与関連税などの人件費に加え、会計ソフトウェアのライセンスやオフィススペースの賃料などの運用コストが含まれます。
また、経験やスキルの不足によって生じる非効率などの見えにくいコストについてもあわせて考慮する 必要があります。
Step 2:必要なサービスの特定
会計部門を評価し、自社のニーズを特定します。ニーズは、基本的な記帳からパートタイムCFOサービスまで幅広く存在します。
これらのニーズの範囲を理解し、取引量、報告頻度、成長予測などの要因を考慮することが重要です。これにより、適切な料金体系を効果的に交渉することができます。
Step 3:料金モデルの評価
予算に影響を与える可能性のある隠れた料金を請求する会社を除外するため、透明性のある料金内訳を依頼します。
その上で、自社のニーズに適した料金モデルを選択します。料金モデルの例としては、月額固定料金、時間単価、プロジェクト単位料金などがあります。
Step 4:詳細な提案書の依頼
アウトソーシング先に対して、コストおよび成果物の詳細を記載した提案書の提出を依頼します。コストには、月額料金の内訳、移行コスト、その他の月額以外の費用を含める必要があります。
Tip:成果物および未達時のペナルティは、理想としては、Service Level Agreement(SLA)に明記されるべきです。
Step 5:初期費用の考慮
予算配分において、月額以外の費用や一時的な費用を考慮します。例えば、データ移行やソフトウェア設定を含むオンボーディング費用などがあります。
また、一部のアウトソーシング会社では、クラウドベースの最新会計ソリューションへのアクセス提供に対してソフトウェアライセンス費用を請求する場合があります。
Step 6:コストと価値の比較およびROIの算出
アウトソーシング会社の料金が妥当であることを確認します。例えば、正確性、対応スピード、コンプライアンス対応力、拡張性、コミュニケーション品質を評価します。また、予算の妥当性を確認するためにROIを算出する必要があります。
以下の式を使用できます:
ROI = (社内コスト – アウトソーシングコスト) / アウトソーシングコスト * 100
自社における会計アウトソーシングのコストや期待されるROIの見積もりにお悩みがある場合には、ぜひ当社の専門家にご相談ください。
CDHは、子会社にまたがる財務管理の複雑さに直面している企業や、 税制の変化に伴うコンプライアンスやリスク対応に負担を感じている企業をサポートしています。
当社のチームは、財務とテクノロジーの専門性を組み合わせることで、会計データの透明性を高める支援を行っています。 また、継続的な支援を必要とする企業に向けて、長期的なパートナーシップモデルもご用意しています。
会計アウトソーシングからのROIの測定方法
会計業務をアウトソーシングする主な理由の一つはコスト削減です。しかし、それだけがアウトソーシングのメリットではありません。
以下は、会計アウトソーシングからのROIを測定する方法の一部の例です:
- 直接的なコスト削減(Direct Cost Savings):社内の会計チームを採用・維持するコストと、会計アウトソーシングのコストを比較します。例えば、会計担当者の採用に給与、給与関連税、福利厚生を含めて年間90,000ドルかかる一方で、アウトソーシングに年間45,000ドルかかる場合、アウトソーシングによって45,000ドルのコスト削減となります。
- 生産性の向上(Productivity Gains):効果的なアウトソーシングにより、従業員は顧客獲得、アドバイザリーサービス、収益を生み出す業務に集中できるようになります。例えば、会計業務をアウトソーシングすることで、プロジェクトの対応スピードが向上するといった変化が 期待されます。
- エラーおよびコンプライアンスリスク(Errors and Compliance Risks):会計業務をアウトソーシングすることで、エラー発生率が大幅に低下することが見込まれます。また、罰金やペナルティにつながるコンプライアンスリスクも軽減され、さらなる損失の防止にもつながります。
適切な会計アウトソーシングパートナーを選ぶためのポイント
選択する会計サービスは、自社の業務フローを補完し、業務効率を高めるものであるべきです。これにより、コアビジネスに集中できるようになります。
会計事務所を選定する際には、以下のベストプラクティスを参考にしてください:
- 業界経験の確認(Verify Industry Experience):選定する会計パートナーが、業界特有のコンプライアンスや報告基準に対応できる関連業界の経験を有していることを確認してください。CPAやACCAなどの資格を確認し、実績の証明としてこれまで関与した企業のポートフォリオの提出を依頼することもできます。
- テクノロジーの専門性(Technological Expertise):Sage IntacctやFreshBooksなどの最新の会計ツールに対するパートナーの習熟度を評価してください。また、その会計システムが自社のシステムと互換性があることも確認する必要があります。
- セキュリティ基準の確認(Check Security Standards):データ漏洩や不正アクセスから自社データを保護するために、強固なデータ保護プロトコルを備えていることを確認してください。データ暗号化の仕組みについて確認し、GDPRなど関連規制への準拠を示す認証の有無も確認してください。
- 顧客評価の確認(Review Client Testimonials):会計パートナーがこれまで関与した他企業の紹介やケーススタディの提供を依頼してください。その上で、紹介先に連絡し、パートナーの仕事ぶり、信頼性、専門性を確認してください。
- コミュニケーションの評価(Evaluate Communication):週次、月次、四半期など、自社のコミュニケーションニーズを理解しているパートナーを選択してください。また、自社と会計サービス提供者が異なるタイムゾーンで業務を行う場合は、明確なコミュニケーション手段を確立する必要があります。
よくある質問(FAQs)
以下は、会計アウトソーシングのコストに関する一般的な質問への回答例です:
どのような会計サービスをアウトソーシングできますか?
効率性の向上とコスト削減のために、幅広い会計サービスをアウトソーシングすることができます。
企業がアウトソーシングする最も一般的なサービスには、記帳、買掛金および売掛金の管理、税務申告、給与管理、CFOアドバイザリーサービスなどが含まれます。
アウトソーシングされた会計サービスの費用には何が含まれますか?
通常、会計アウトソーシングサービスの費用には、従業員コスト、ソフトウェア利用料、コンプライアンス対応、勘定照合、財務報告が含まれます。
会計アウトソーシング契約には隠れた費用がありますか?
場合によってはあります。会計アウトソーシングでは、オンボーディング費用、ソフトウェア統合費用、処理手数料などの隠れた費用が発生することがあります。
ただし、信頼できる会社であれば、これらの費用は料金内訳に明確に記載されます。
会計アウトソーシングは小規模企業にとってコスト効率が良いですか?
はい。特に社内で会計担当者を雇用する余裕がない小規模企業や、業務量の変動が頻繁にある企業にとって、会計アウトソーシングは非常にコスト効率が高いといえます。
まとめ
会計アウトソーシングは、特に業務効率と拡張性を求める中小企業にとって優れたソリューションです。ただし、単に会計業務をアウトソーシングすることだけに注力するのではなく、自社の業務フローを補完する会計事務所を見つけることも重要です。
CDHでは、会計、税務、監査、アドバイザリーを一体的に提供するフルサービスのアドバイザリーアプローチを提供しており、お客様がリスクを軽減し持続的に成長できるよう支援しています。
当社チームは複数の業界において豊富な経験を有し、またさまざまな市場において子会社を展開する企業にも適したサービスを提供しています。
当社の会計アウトソーシングサービスが、コンプライアンスやリスク対応の負担軽減にどのように貢献できるか、ご興味がありましたらいつでもお問合せください。




