近年、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、LINE、TikTokなどのSNSを悪用した詐欺被害が急増しています。手口は年々巧妙化しており、AI(人工知能)を利用して有名人や家族になりすますケースまで確認されています。
SNSは私たちの生活に欠かせない便利なツールですが、その利便性を悪用した犯罪も増えています。「自分は大丈夫」と思っている方ほど狙われやすいとも言われています。
今回は、特に被害が多い代表的なSNS詐欺12種類をご紹介します。
IRS(米国歳入庁)を装った税務詐欺
米国では、IRS(Internal Revenue Service:米国歳入庁)の名前を悪用した詐欺が毎年数多く報告されています。近年では、電子メールだけでなく、SMS(テキストメッセージ)、電話、SNSのダイレクトメッセージなど、さまざまな手段で接触してくるケースが増えています。
典型的な手口としては、
• 「税金の未払いがあるため、直ちに支払わなければ逮捕される」
• 「還付金を受け取るために銀行口座情報を入力してください」
• 「Economic Impact Payment(給付金)を受け取るには手数料が必要」
• 「アカウントが停止されるため、今すぐ本人確認をしてください」
などと不安をあおり、個人情報や銀行口座情報、クレジットカード情報を盗み取ろうとします。また、Apple Gift CardやGoogle Playカード、Bitcoinなどの暗号資産で支払いを要求するケースも多く見られます。
クロスボーダー税務に特有の詐欺
• FBAR・FATCA申告を装う詐欺:「海外口座の申告漏れがある」「罰金を回避するため至急支払ってください」などと偽のメールを送る
• ITIN更新詐欺:ITINの更新や取得を口実に、SSN、パスポート情報、銀行口座情報などを盗み取る
• ERC(Employee Retention Credit)や税額控除の還付詐欺:架空の還付金や税額控除をうたい、高額な成功報酬や手数料を請求する
• 税理士・CPAなりすまし詐欺:確定申告シーズンに、税理士や会計事務所を装って「申告書の確認」「電子署名が必要」などと偽サイトへ誘導する
知っておきたいポイント
IRSは通常、最初の連絡を電子メール、SNS、SMS、電話で行うことはありません。税金に関する正式な通知は、原則として郵便で送付されます。また、IRSがギフトカードや暗号資産で税金の支払いを求めることは決してありません。
被害を防ぐためのポイント
• IRSを名乗るメールやSMSのリンクはクリックしない
• 電話で個人情報や銀行口座情報を伝えない
• 「今すぐ支払わなければ逮捕される」などと脅された場合は、いったん電話を切る
• 税金に関する通知を受けた場合は、IRS公式サイト(www.irs.gov)の情報や、税理士・CPAなどの専門家に確認する
米国在住者だけでなく、日本在住の米国市民やグリーンカード保持者も、このような詐欺の対象となることがあります。特に、米国での確定申告やFBAR、海外資産の申告義務がある方は、「IRSからの連絡」を装った詐欺に十分注意してください。
ここからは他の典型的な詐欺の種類を紹介します。
1. 投資詐欺
有名人や経済アナリストを装い、「AI投資で毎月高収益」「必ず利益が出る」などと勧誘し、暗号資産(仮想通貨)や海外投資へ誘導します。
対策
• 「必ず儲かる」「元本保証」という勧誘は疑う
• 金融機関や業者が正規の登録を受けているか確認する
2. ロマンス詐欺
SNSやマッチングアプリで恋愛感情や信頼関係を築いた後、「病気」「事業資金」「渡航費」などを理由に送金を求めます。
対策
• 実際に会ったことのない相手へ送金しない
• お金の話が出た時点で一度立ち止まる
3. なりすまし詐欺
家族、友人、勤務先の上司、有名人などになりすまし、送金や個人情報の提供を求めます。
対策
• SNSだけで判断せず、電話など別の方法で本人確認を行う
4. フィッシング詐欺
「アカウントが停止されます」「荷物をお届けできませんでした」などのメッセージから偽サイトへ誘導し、ID・パスワードやクレジットカード情報を盗み取ります。
対策
• メッセージ内のリンクからログインしない
• 必ず公式サイトや公式アプリからアクセスする
5. 副業詐欺
「スマホだけで月収100万円」「いいね!を押すだけで稼げる」などの広告で誘い、登録料や教材費を請求します。
対策
• 仕事を始める前に高額な費用を要求される場合は注意する
6. 当選・プレゼント詐欺
「現金100万円が当選」「最新スマートフォンをプレゼント」などと連絡し、手数料や個人情報の提供を求めます。
対策
• 手数料を支払わなければ受け取れない賞品は疑う
• 当選情報は公式サイトで確認する
7. サポート詐欺
「ウイルスに感染しています」「今すぐサポートへ連絡してください」と表示し、サポート料金や遠隔操作を要求します。
対策
• 表示された電話番号へ連絡しない
• ブラウザを閉じ、必要に応じてセキュリティソフトで確認する
8. 緊急連絡詐欺
「事故に遭った」「携帯電話が壊れたので新しい番号です」などと家族や知人を装い、急いで送金するよう求めます。
対策
• 必ず以前から知っている電話番号へ連絡して確認する
9. チケット・商品販売詐欺
人気コンサートのチケットやブランド品などをSNS上で販売すると見せかけ、代金だけ受け取って商品を送らない手口です。
対策
• 個人間取引では安全な決済サービスを利用する
• 極端に安い価格には注意する
10. AIディープフェイク詐欺
AIで作成した音声や映像を使って家族や有名人になりすまし、送金や投資を勧めます。技術の進歩により、本物と見分けるのが難しくなっています。
対策
• 音声や動画だけで信用しない
• 必ず別の連絡手段で本人確認を行う
最近特に増えている手口
最近は次のようなケースが目立っています。
• SNSからLINEなどの個別チャットへ誘導し、投資やロマンス詐欺へ発展させる
• 暗号資産(ビットコインやUSDTなど)での送金を要求する
• AIを使って家族の声を再現し、緊急の送金を求める
• QRコードを読み取らせ、不正サイトや偽決済ページへ誘導する
被害を防ぐための5つのポイント
SNS詐欺には共通する特徴があります。
• 「今だけ」「今日中」など、判断を急がせる
• 「絶対儲かる」「元本保証」など、利益を保証する
• LINEやWhatsAppなど、非公開のやり取りへ誘導する
• 本人確認を避けようとする
• 暗号資産やギフトカードでの支払いを求める
これらの特徴が一つでも当てはまる場合は、すぐに対応せず、一度立ち止まって内容を確認しましょう。
最後に
SNS詐欺は年齢を問わず、誰でも被害者になり得ます。特にAI技術の発達により、映像や音声だけでは真偽を判断しにくい時代になっています。
「すぐに送金しない」「その場で決めない」「別の方法で本人確認をする」。
この3つを意識するだけでも、多くの被害を防ぐことができます。便利なSNSを安心して利用するためにも、最新の詐欺手口を知り、日頃から慎重な行動を心掛けましょう。
以上
CDHでは米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。またこれらの人たちが抱える問題は日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解してもらう目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。また、お読みになる時点ではすでにルールが変更されているリスクもあります。最新のルールは、下記よりお問合せください。また実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。
弊社は全てのご質問やご相談をRoadmap Sessionでお顔を拝見しながらお答えさせていただいております。初回無料のRoadmap Session(25分)も受け付けております。
こちらからお申込みください;https://outlook.office365.com/owa/calendar/Bookings@cdhcpa.com/bookings/
CDHの税務サービスについては;https://www.cdhcpa.com/ja/service-types/tax/
最新ニュース満載のMonthly CDH Newsletterを受け取られたい方は「購読」からご登録;https://www.cdhcpa.com/ja/news-insights/
それ以外のご質問は、crossborder@cdhcpa.com までご連絡ください。




