2026年2月20日、米連邦最高裁は、トランプ政権が「国際緊急経済権限法(IEEPA)」を根拠に課した相互関税や、中国・カナダ・メキシコに対する麻薬関連関税について、「違法」と判断しました。裁判所は、これらの関税は大統領の権限を超えており、議会の権限を侵害していると指摘しています。この判決は、すでに徴収された1,300億ドル超の関税の扱いや、今後の関税政策にも影響を与える可能性があり、大きな注目を集めています。
現時点で関税還付の可能性は生じていますが、還付の具体的な金額や時期、手続きの詳細はまだ公表されていません。
この判決を受け、企業の間では「過去に支払った関税はどうなるのか」という関心が高まっています。特に、現時点で関税還付の可能性が生じており、会社の帳簿でいつ利益として認識できるのかという点は、会計上重要な論点です。こうした不確定要素の中、経営者の中には「できるだけ早く帳簿上の還付を利益として反映したい」と考える場合もあるでしょう。
こうした状況では、企業として還付の可能性をどのように帳簿に反映させるべきか慎重に判断することが求められます。会計上、このような利益の取り扱いには特別なルールがあります。
会計上の考え方:
関税還付のように、将来利益が見込まれるものの、発生が確実ではない利益については注意が必要です。ここでいう「発生が確実ではない利益」とは、企業が将来的に利益を受け取る可能性はあるものの、現時点では金額や時期が確定していない利益を指します。今回の関税のケースでは、最高裁判決により違法と判断された関税について、還付の可能性が現実に生じていますが、具体的な還付額や受け取り時期はまだ確定していません。
このように現時点では確定していない将来利益は、会計上「偶発利益(Contingent Gain)」と呼ばれます。会計ルールでは、還付の権利が法的に確実になるまでは、利益として帳簿に計上することはできません。権利が確実になったことを確認して初めて計上することができ、つまり現時点では何も記帳せず、保守主義の原則に沿って慎重に扱うことが重要です。
企業としての対応
現時点では何も記帳せず、今後も引き続き動向を追うことが重要です。
• 今後の関税還付に関する発表や手続き情報を注意深く確認する
• 還付の権利が法的に確実になるまでは、利益として帳簿に計上してはいけない
• 手続きや還付に不明点がある場合は、関税・輸入手続きに詳しい税理士や会計士に早めに相談する




