米国でリース会計基準(ASC 842)が導入され、早や4年ほど経とうとしていますが、日本における新リース会計基準の適用開始も控えていることもあり、企業実務におけるリース会計への関心が再び高まっています。本稿では、米国において実務上押さえておくべき基本原則と、判断に迷いやすい論点を整理して解説します。
親会社から毎月届く「Management Fee — $50,000」という請求書。何のサービスに対する支払いで、なぜ$50,000なのかを、親会社に確認せず米国側の資料だけで説明できるでしょうか。日本の親会社から米国子会社へ、経理、人事、IT、経営管理などの支援サービスが提供され、その対価としてManagement Feeが請求されることは珍しくありません。しかし、契約書と請求書が存在するだけで、必ずしもその全額が米国税務上、損金算入できるわけではありません。税務調査では、サービスの実態、米国子会社が受けた便益、金額の算定根拠、そして関連資料の整合性が確認されます。
米国に進出している日系企業の中には、経理担当者が1名、あるいは数名のみで会計業務を担当しているケースが少なくありません。限られた人数で業務を効率的に運営できる一方で、現金や預金に関する管理が一人に集中しやすく、不正やミスが発生するリスクも高まります。特に中小規模の米国子会社では、人手不足やコストの制約から、日本本社のような十分な職務分掌を実現することが難しい場合があります。しかし、人員を増やさなければ内部統制を強化できないというわけではありません。少人数体制であっても、業務の見える化やレビュー体制の導入によって、不正リスクを大幅に低減することができます。今回は、追加採用を行わなくても実施できる現預金管理のポイントについてご紹介します。